情報文化教育課程「芸術文化コース」の成果について

芸術表現講座主任  堀内伊吹
芸術文化コース主任 佐藤敬助

 芸術文化コースでは、音楽あるいは美術における豊かな感受性と創造的な表現力を身につけて、地域の文化活動を幅広く支えていくことのできる人材の育成を目指し、教育研究活動を行っています。本コースは、全国の他の教員養成系大学と同様に、教員需要減に対応するために設置された新課程の1コースです。しかし、人文科学系の人材を育成する課程の設立が地域の要望として長崎大学にも求められる中で、情報化・国際化の進む世界の流れを背景に、地域の要望に応える形で生まれたコースとも言えます。

 設置されてからの7年間は、教員免許が取得できないコースとして、地元の高校側からは中途半端なミニ芸術学部であるとの批判もありましたが、教員及び学生が一丸となって音楽・美術それぞれ独自のカリキュラムのもとに、感性を磨き、芸術性を追求し、その芸術的水準を高めることで、高校からの信頼も得てきています。発足当時から受験者数も一定水準を保ち、就職においても昨年度はほとんどの学生が希望する職種に就くなど、芸術的センスを持ち合わせた教育学部卒業生として、企業等からも好意的に受け入れられています。

 本コースでは、積極的に地域社会に出かけ、大学からの芸術文化分野における情報発信を行っています。具体的には、演奏会、展覧会、各種ワークショップ等の開催により、研究・教育成果を公表しています。そして、学内はもとより、美術館や病院、学校でのコンサート、あるいは公募展やグループ展、長崎県との芸術イベントの協力、さらには韓国との芸術文化交流としてその活動はここ数年、特に活発化してきています。

 学部改組に伴い、新課程の見直しが進む中で、音楽分野及び美術分野でのこれまでの芸術活動をまとめ、成果を明らかにし、芸術文化コースが地域社会において果たしてきた役割を検証したいと考えます。

 

芸術文化コース・音楽の活動
 音楽専攻では、芸術と社会との接点を広げ、個性豊かな文化環境づくりに貢献することを目的とし、学生と教員が協力して、総合的で広範囲な音楽文化活動を行っています。教育学部創立130周年を迎えた平成17年度には、様々な記念事業の一環として次の4事業を実施しました。

@ 長崎大学ランチタイムコンサート
大学キャンパス内にある学生プラザ多目的ホールで、定期的に開催されている25分間のミニコンサートです。寛ぎのランチタイムを演出しています。

春の夢(4月20日)、初夏のメロディー(6月3,10,17,24日)
DESPERADO(10月5日)、秋のヴォーカルコンサート(10月19日)
冬の訪れ(12月14日)、クリスマスコンサート(12月21日)
マイファニーバレンタイン(2006年2月8日)

<成果及び評価> ランチタイムコンサートの発展と充実をテーマとした企画が平成17年度長崎大学夢大賞を受賞しました。

A 教育学部創立130周年記念「教室コンサート」
長崎県教育委員会と連携を図り、県内の小中学校からの希望をもとに、離島を含む6校でのスクールコンサートを実施しました。

佐世保市立相浦小学校高島分校(8月19日)、諫早市立有喜小学校(10月4日)
  長崎市立山里中学校(10月5日)、佐世保市立日宇小学校(10月25日)
  対馬市立佐須中学校(11月10日)、対馬市立豆酘中学校(11月10日)

 <成果及び評価> アンケート調査での子どもたちの感想です。
「心がウキウキするコンサートだった。」「ピアノの手が魔法の指に変身していた。」「心の中まで聴こえたような気がした。」
さらに、県教育委員会からもこの活動が評価され、平成18年度は、芸術家等派遣事業として教室コンサートが継続することになりました。

B 長崎県美術館「イブニングライブ」
昨年オープンした長崎県美術館ロビーで、毎月第4日曜日に開催されているロビーコンサート。企画展のテーマも考慮され、美術と音楽のコラボレーションが図られています。

  「夕暮れのアリア」(5月22日)「音楽に描かれた情景」(6月12日)
「アイ・ゴット・リズム〜アメリカ音楽特集〜」(7月24日)(8月28日)
「哀愁の空」(9月25日)「音楽と朗読のコラボレーション」(10月23日)
「音楽に誘われて」(11月27日)「クリスマススペシャル」(12月25日)
「冬の旅から春を想う・リクエスト特集第一弾」(2006年1月29日)
「リクエスト特集第二弾」(2006年2月26日)
「ながさきジュニアオーケストラとの共演」(2006年3月26日)

<成果及び評価> 毎回100名を超える参加者からのアンケートの声です。
「若い方達の熱意が伝わってくるコンサートで幸せな一時でした」「久々に心豊かな時を過ごせた気がします。」「今日のメンバーが、いつか長崎から飛び立って活躍されることを心から望んでいます。」
平成18年度も長崎県美術館長からの協力依頼があり、教育学部との連携という形で、このコンサートは継続、さらに長崎県美術展覧会公募展のオープニング等でも学生グループに演奏の依頼がきています。

C その他の演奏活動
その他、学生たちが自発的に、あるいは他の文化団体や文化ホールの協力を得て、活動場面は多様化しています。

かもめ広場ミュージックステーションで演奏(4月3日)
長崎北病院ロビーコンサート(5月25日)
   とぎつカナリーホール音の博物館ロビーコンサート(6月4日、5日)
長崎県展表彰式での演奏(9月18日、23日)
   諫早のんのこ祭りに参加(9月18日)
   長崎記念病院さわやかコンサート(2006年1月25日)

  <成果及び評価> 地元商工会や病院等からの出演依頼も増え、教育学部の音楽演奏グループとして認知されてきています。
平成18年度は、障害者のための施設である長崎リハビリテーションからも演奏の依頼があり、定期的に演奏会を開き療法的な音楽活動に取り組み始めています、また今年度カナリーホールで開催された長崎連盟主催の「音楽見本市」では、学生アンサンブルが長崎北病院賞を受賞しました。

芸術文化コース・美術の活動

 美術専攻では、人間の生命の尊厳と情操の育成を目ざした実技教科として、活発な芸術創作活動を行っています。これらの活動は、マスコミ等でも度々取り上げられ、学生と教員の協働による意欲的な創作活動として評価されています。また、大学の広報誌「CHOHO」の表紙は、美術専攻の学生によるもので、そのデザイン力が学内外から評価されています。平成14年度からの主な活動は、以下のとおりです

平成14年度
美術によるワークショップ「アートは子ども Tシャツで花いっぱい!」
(小浜温泉ポケットパーク 10月27日)
美術によるシンポジウム「子どものアートとその感性は?」       
(本学中部講堂 10月26日)

平成15年度
美術によるワークショップ「Tシャツに色をつけて遊ぼう!」     
(小浜温泉ポケットパーク 11月22日)
サイエンスワールドに美術作品出品「絵画展」
(教育学部SCS教室 9月24日)

平成16年度
美術によるワークショップ「そいなら絵ば描こうか☆」         
(小浜町立小浜小学校 8月27日)
美術によるシンポジウム「美術を通してものの大切さを見直そう!」     (ハートピア雲仙 8月28日)

平成17年度
美術によるワークショップ「かさで花いっぱいにすうで!」       
(雲仙市立小浜小学校 11月19日)
NHK BSテレビ「おーい、ニッポン」“光のモニュメント”の企画・出演  
(活水大学 11月6日)

平成18年度
「水辺の森映像祭」(長崎県美術館主催)に4年芸術文化コース共同制作として映像作品を応募(6月30日)

 

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