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活動状況 2013

長崎大学教育学部音楽専攻 福井昭史

研究の概要

音楽科教育の実践研究をテーマとして,小学校や中学校で児童・生徒を直接指導されている先生方の役に立つような研究を心がけでいます。現在取り組んでいる主なテーマは次のようなものです。

1.音楽科の教育課程について-指導計画の作成など

『小学校音楽教育実践指導全集』(アカデミープロモーション)に、学習指導要領の趣旨や内容を受けて作成する小学校高学年の年間指導計画についてを記述しました。以下のような内容です。

指導計画の作成
題材の設定とその配列によって年間指導計画は作成される。年間を通して児童に獲
得させたい学力の全体像を基本に、指導内容や学習活動、教材となる楽曲や配当時
数等を具体化することで、一般的には年間を通して10~15程度の題材が設定される。

1 指導計画作成にあたっての配慮事項
限られた授業時数で児童の学力を確実なものにしようとするには、目標を焦点化し
た指導を行う必要がある。すなわち、一回の授業で児童に獲得させたい内容を精選
し、 重点的な学習活動に取り組ませるようにすることである。そのためには、題材
を設定 するにあたって、次のような点に配慮することが望ましい。
① 指導内容の重点化
題材における指導内容を重点化することで、目標を焦点化した学習に取り組ませる
ことができ、指導内容の定着が図れる。具体的には、題材を設定するにあたって、次
のような視点に配慮することである。
・季節や情景など音楽の表す気分や曲想を十分に味わう題材
・音楽的な感受を深める題材
・音の重なりや和声に重点を置いた題材
・楽曲の構成に重点を置いた題材
・表現の技能の伸長に重点を置いた題材
・表現の工夫に重点を置いた題材
②学習活動の焦点化
音楽の様々な活動には、それによって獲得される技能や能力に違いがあり、音楽科
の目指す多様な学力を身に付けさせようとするのであれば、多彩な活動に取り組ま
せるとともに、各々の活動を十分に深める必要がある。題材の設定にあたっては、「歌
唱の活動を深める題材」「器楽の活動を深める題材」「創造的な活動を深める題材」「鑑
賞や聴取の活動を深める題材」などの視点に配慮する必要がある。
③教材の精選
教科書には多くの教材楽曲が掲載されており、それらを全て取り上げることは不可
能でありその必要もないのである。指導計画の作成にあたっては、教科書やその他
の資料から題材の主題や目標に合う教材楽曲を選択することになる。その際は、各々
の楽曲を十分に深められるよう、教材の量が多過ぎないよう配慮する必要がある。
なお、我が国や諸外国の多様な音楽を幅広く体験させることは、さまざまな能力の伸
長と音楽的な視野の拡大に役立つので、次のような視点で題材を設定することも考え
られる。
・日本の伝統音楽や郷土の音楽を教材とした題材
・世界に民族音楽を教材とした題材

④題材の規模の適正化
今改訂では、高学年の年間授業時数が50時間に削減された。単純に考えると、こ
れは週当たりの授業時数が1~2時間ということで、教育課程の編成によっては、あ
る期間週1時間の授業も有り得るということである。その場合、配当時数が10時間
の題材を設定したとすると、数ヶ月にも及んで同一の題材に取り組まなければならな
いということになる。このようなことも考慮し、指導期間が余りにも長期に及ばない
よう、適切な規模の題材にすることが望まれる。・・・

☆指導計画、指導案の作成の相談を受け付けます。

2 音楽科の評価について

音楽之友社の音楽指導ハンドブックは,音楽科指導における具体的テーマによるシリーズです。同シリーズの拙著『授業の評価・音楽編』、『音楽科授業の指導と評価』では、音楽の授業での評価の在り方をわかりやすく解説しました。

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☆音楽科の指導と評価についての相談を受け付けます。

 

3 音楽鑑賞の指導について

鑑賞指導が難しいと感じている先生が多いようです。音楽鑑賞の教材と授業展開の紹介を『ONKAN音楽鑑賞教育』(音楽鑑賞教育振興会)と『教育音楽・中学・高校版』(音楽之友社)にそれぞれ3年間連載しました。

『ONKAN音楽鑑賞教育』(音楽鑑賞教育振興会)
☆中学校の鑑賞教育を考える
1.音楽的な感受の能力を育てる鑑賞指導(2002.4~2003.3)
2.鑑賞指導と教材の選択(2003.4~2004.3)
3.鑑賞教材の研究と選択(2004.4~2005.3)
『教育音楽・中学・高校版』(音楽之友社)
☆生徒が育つ鑑賞授業ここがツボ!(2009.4~2012.3)

『おんかん』という愛称で呼ばれている音楽鑑賞振興財団という公益財団法人があるのをご存知ですか。かつては音楽鑑賞教育振興会という名称で、『ONKAN音楽鑑賞教育』という月刊誌を発行しておりました。現在は季刊となりましたが,音楽教育全般に役立つ内容が掲載されていますのでご購読をおすすめします。書店には置いてありませんので,インターネットでホームページ(http://pioneer.jp/onkan/)にアクセスし,申し込まれるとよいでしょう。バックナンバーを閲覧することができます。小・中・高等学校の先生方にとって強い味方になると思います。

☆音楽鑑賞の授業についての相談を受け付けます。

 

4 日本の伝統音楽の指導について

2006年に出版した日本の伝統音楽への入門書『よくわかる日本音楽基礎講座』(音楽之友社)は版を重ねています。日本音楽のエキスを満載しています。

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 ☆日本の音楽の指導方法、教材研究の相談を受け付けます。

○小・中学校の先生方の研修や研究のお役に立ちたいと考えています。音楽科教育についてでしたらどんなことでも構いませんので,遠慮なくご相談ください。
○授業の出前もいたします。
○オーディオ・ビジュアルを含む教材・指導資料のご相談にも応じます。